サーブ・バイオファーマ株式会社

menu

技術解説

腫瘍溶解性ウイルスについて

がんの治療法

がんの三大治療法(手術、放射線、化学)に加えて、新たな先端医療としてウイルス療法が注目されています。

  • 死因のトップはがんであり、その割合は増加の一途をたどっています。
  • 既存の治療法(手術、放射線療法、化学療法)では、効果が限定的となる場合や、重篤な副作用がある場合があります。

腫瘍溶解性ウイルスとは

  • 腫瘍溶解性ウイルスは、がん細胞を選択的に傷害するように遺伝子改変して作製されたウイルスです。
  • 正常細胞に感染しても増殖しないため、正常細胞は傷害されないことから、有効性と安全性が極めて高い新規抗がん治療薬として高く期待されています。

技術プラットフォームの変遷

  • 当社創業者の小戝教授が独自に開発した技術は、ヒトアデノウイルスを基本骨格とし、腫瘍特異的なプロモーターを挿入することにより、腫瘍でのみ増殖するアデノウイルスを作製できる技術プラットフォームです。
  • 1990年前半には非増殖型のアデノウイルスで治療が試みられましたが、ウイルスが感染する細胞の範囲が限られ、十分な効果が示されませんでした。その後、1990年後半に制限増殖型のアデノウイルスが登場しましたが、腫瘍に対する特異性が不十分でした。
  • 当社は独自の技術プラットフォームを用いて、多因子で精密に増殖を制御することで腫瘍細胞に対する特異性を高め、さらに治療遺伝子も搭載することで治療効果を高めることに成功しています。

当社の独自技術:m-CRAプラットフォーム

当社は、アデノウイルスを3つのプラスミドに分けることにより、多数の腫瘍溶解性アデノウイルスを迅速に作製できるプラットフォーム技術「m-CRA(多因子増殖制御型アデノウイルス)」を独自開発しました。

当社独自開発の腫瘍溶解性ウイルス:Surv.m-CRA

  • アデノウイルスにサバイビンプロモーターを挿入することにより、サバイビンが発現・活性化している各種悪性腫瘍細胞において選択的にウイルスを増殖させることが可能です。
  • サバイビンはほとんどのがん種において高発現していますが、正常組織においては検出されません。
  • 担がんヌードマウスへの当社開発ウイルスの腫瘍内局所投与により、顕著な抗腫瘍効果が示されています。

腫瘍溶解性ウイルスによるがんの免疫療法

腫瘍溶解性ウイルスの局所投与により原発巣の腫瘍細胞を溶解・殺傷するとともに、その過程で効率的にがん免疫が誘導され、転移巣に対しても治療効果を発揮します。

in vivo 遺伝子治療について

  • 遺伝子治療とは、遺伝子の異常や欠損が原因となっている疾患、がんなどの悪性疾患に対して、疾患の治療に有用な遺伝子を導入し、発現させることで疾患を治療する技術です。遺伝子治療のうち、生体内(in vivo)に直接遺伝子を導入する方法を、in vivo遺伝子治療とよびます。
  • 当社は、糖尿病の新たな治療法として、in vivo遺伝子治療に着目して画期的な新薬の開発を進めています。